「あっあのえっとえと」
嬉しさに飛びつきたくなったのを
抑えつつ、
あたしは先生に近寄った。
「ぐっ偶然ですね!」
「だな」
「何してるんですか?こんな所で」
「待っているんだ」
「誰を・・・?」
「おっまたせー!」
と、
あたしと先生のいた真正面の店から
女の人が飛び出してきた。
誰・・・?この人。
「あらあら、お邪魔だった?」
「いいや、俺の生徒」
「あ、そっか!あっちゃんとこの」
あっちゃん!?
充のあ!?
あだ名呼びの女は高橋の腕をとり
その爆発的な胸を押し付け
「充の母です、よろしくね!」
彼女といわれるようなポーズに
似ても似つかない言葉が
返ってきた。
・・・え?
もう高橋と同じ年くらいに
見えるその人は
あたしの頭をなでた。
・・・はい?