「あ、のさ…」

突然君が手をあげた。

「決勝じゃなくて準決勝あたりでいいから出させてもらえないかな…?」

君の発言に君の歌唱力を知ってる人達は驚いていたよね。

申し訳なさそうに、でも真っ直ぐな瞳をした君に、嫌と言う人なんていなかった。

むしろ決勝で歌うよう促した。

君は心底嬉しそうに「ありがとう」と言った。