「待ちなよ、アンタ」 誰に腕を掴まれた。 「はなっ……」 「学校はあっちだよ。 って、ぇえ。 泣いてんの?」 制服はデザインの違う同じ色。 多分、この人は高校生だろう。 涙でグチャグチャの私は彼の顔がぼやけて見えた。 「しゃーない。 近くの神社でいい? さぁ乗って」 彼は自転車の後ろに乗せてくれるらしい。 今の私は少しでも学校から離れたくて、彼の言うとおり後ろに乗った。