「ん…。…」


じっめっとしたベッド。
淀んだ空は涙を流していた。


ーーーーーまたあの夢を見ちゃった。



私は制服に着替え、リビングへと足を急ぐ。


一刻も早く、早く。
誰かがいる場所に行きたかった。



「おはよう。
蓮、今日は早いのね」


「……はよ、ねみぃー」



ふふと母さんは笑った。
今日もいつもと変わらない日が始まるんだ。


そう思った。


「今日はね、『ピンポーン』



母さんはなにかいいたそうにしていたけれど、その前に来客が来てしまった。