「あの子達には言わないで・・・まだ小学生だし・・・心配かけちゃうと可愛そう・・・」



荷物を取りに戻る車の中で、お母さんが呟いた。
もちろんあの子「達」の一人は私の事だ。
そしてあの子「達」のもう一人は、7つ上の中学二年生の姉の事。


帰宅した母は私と姉が寝ている間に荷造りを済ませ
父と一緒に再び家を出た。



私達が朝おきると机には


「お母さんはちょっと具合悪いから病院いってきます」


なんて気の使った様な母の似顔絵入りの置き手紙が置いてあった。