つやつやの黒髪ストレートロングも、チェックのスカートからすらりとのびた長い足も、あたしにはないものを凪ちゃんは持っていた。
それに比べてどこか子どもっぽいあたし。
ネクタイをしてみたり、落ち着いた色のカーディガンを着たり、いろいろ努力はしてるつもりなんだけど、いや、あんましてないかも。
…でも羨ましい、なんて。
「小夜は可愛いよ」
そんなあたしの心の中を見透かしているように凪ちゃんが言う。
「凪、ちゃん…」
思わず、情けない声が出てしまった。
それでも凪ちゃんは、艶っぽくふふ、と微笑みかける。
「そんな暗い顔してないで、ほら。笑顔じゃない小夜なんてきらいになっちゃうよ?
また、変なことでも考えてたんでしょ」
……図星、だ。