【優奈said】


どうかお願いします。


わたし安藤 優奈
中学最後のクラス替えの表の前で
神様にお願いした。


いい人がいますように・・・


パッと顔あげて、フェンスに貼っている
紙切れに目を向けた。


「・・・・あっ、やった―――。」

わたしは、隣の親友に
抱きついた。

「同じクラスだよっ!めっちゃうれしい。」
「あたしもうれしい。でも、優奈きつい。」

感激のあまり抱きついた
親友の佐々木 桃をいそいで
はなした。

桃とは幼稚園からの付き合いで
何でも言える最高の親友だ。

でも、
中学校では、
なかなか同じクラスになれなかった。


「やっと、同じクラスだね。
 先生にお願いして、よかった。」
「優奈、めっちゃ頼んでたからね。」

ホントお願いしててよかった。
今日の占いでは、最下位だったけど、
ウソだととても確信した。


そして、靴箱に向かうとき
わたしの耳に話が入ってきた。


「聞いて、聞いて。
 転校生が来るんだって。
 しかも、男子らしいよ。」
「かっこいいのかな?」

転校生か、
そんなことを思いながら
足を進めた。