―輝―


『凛の事を呼び捨てにするな』


あの男からの忠告を守る気は全く無い。

きっと凛も今までと同じように呼んでくれる。


…そう思っていた。



でも、次の日から凛は俺の事を

輝と呼ばなくなった・・・



朝、いつものように家の前で顔を合わした時


「おはよう、輝君。
昨日はゴメンね…気、悪くしたよね?」


――輝君?


「お前…今俺の事なんて呼んだ?」


「あぁ…輝君って。
君付けも中々新鮮で良いかもね。」


そう言って凛は笑った。