ーそれから数ヶ月後、僕は美冬と結婚した。昔は、仕事が終わってからも毎日美冬の家ではなく、鈴子の家へ赴いていた。そんなことばかりしていた。鈴子とは、本当にあれから会っていない。鈴子が結婚したという、噂を風の噂で聞いた。彼女は幸せになっているのだろうか。それだけが心残りだった。そしてしばらくすると、鈴子から一通の手紙が届いた。宛名の僕の名前を書いた懐かしい鈴子の優しい字体に懐かしみを感じながら、中を開いた。そこに記されていたのは、今は結婚して幸せにしているという事、そしてその相手の子を宿しているという事などが書かれていた。
(ああ・・・、良かった。鈴子は幸せに暮らしているんだな・・・)
僕はその瞬間、本当に鈴子を忘れることが出来たのだと思った。
(ああ・・・、良かった。鈴子は幸せに暮らしているんだな・・・)
僕はその瞬間、本当に鈴子を忘れることが出来たのだと思った。