「麻央ー!なっちゃん!ばいばーい」
「ゆみちゃん、ばいばーい!」
校門を出る直前、わたしは忘れ物を
してしまったことに気づいた。
「なっちゃん!ごめーん、忘れ物したから
ちょっと教室取りに戻るね!」
「またぁ〜!(笑)
わかった!はやくね〜」
わたしはUターンして校庭を走った。
わたしたちのクラスの窓から誰かがこっちを見てた。
ーー龍くんだ。
(龍くん、ちゃんと学校いたんだ!
何見てるんだろうーー)
龍くんの視線の先には
校門でわたしを待つ、なっちゃんーー
わたしは胸がぎゅーーっと締め付けられそうだった。