なっちゃんに、惣右介の番号を聞いたことは
言わなかった。






タイミングを逃したのもあるけど、
変に気にされたくもなかった。



(電話することもないし、
大丈夫だよねーー)










なんだか少し、後ろめたかった。










なっちゃんと別れて、
いつもの帰り道
近所のコンビニに入った。










入ってすぐ二度見してしまった。






黒くて肩までの長い髪はひとつに束ねて
ロンTにジーパンにサンダル姿の
沖田 龍が雑誌コーナーで立ち読みしていたからだ。






(うわー。。
存在感すご。私服だと完璧高校生…いや、大人に見える。)





わたしは気づかれないように
ペットボトルのジュースを手に取り
そそくさとレジに並んだ。








会計が終わり出口まであと一歩のところで
雑誌を読み終わった沖田 龍に見つかった。