バタバタと廊下を走る音。
ーーなっちゃんだ。ってピンときた
ガラッーー
「麻央ー!ごめん、お待たせーー!」
「なっちゃん!お疲れさま!」
わたしは慌ててPHSを鞄に直した。
「行こっか!お腹空いたーー」
新しいケーキ屋さんのケーキは甘くてふわふわで
幸せな気持ちにさせてくれた。
「実は、わたし今日麻央に聞いて欲しいことがあるの。」
突然なっちゃんが真剣な顔で言った。
「なぁに?なんでも聞くよ」
わたしの言葉を聞いたなっちゃんは
顔を真っ赤にして俯いたままで話し出した。
「実はわたし、
入学してからずっと松本のことが
…好き…なんだ。」
1番肝心なところを
小声でまごまご話すなっちゃんは
いつもクラスの中心でみんなをまとめてる
なっちゃんとは別人みたいだった。