俺を支配していた荒々しい感情がその声に反応した。

一瞬理性を取リ戻す。

「…え?」

俺の脳裏に広がる雪景色が、雅にも見えていたのだろうか?

俺たちは確かに心を繋いでいる事を感じる。

先ほどの荒々しい感情が徐々に凪いでゆき、静かな深い想いが胸のそこから泉の様にこんこんと湧き上がってくる。

―この留まる事の無い愛しさをどう表現したらいいんだろう


雅の頬を伝う涙を唇で拭い、俺の想いの全てを込めて優しくキスをすると、雅の瞳に浮んでいた僅かな恐れが消えていくのを全身で感じた。