ただ、早く一つになりたいと、心が願って…雅の不安など考えてやれなかった。

頭の中に浮ぶのは幼い日の二人で雪うさぎを作ったあの光景。

雅の白い肌に、あの日の雪景色の白が重なる。

高ぶる気持ちの中で、ただ欲望と本能だけが俺を支配して、自分ではコントロールできないほどに雅を求める感情だけが暴走をしていた。

そのときだった。



『…ゆき…』



…聞こえるかどうかの小さな声。

だが、確かに聞こえた雅の細い頼りない声。