時々強く吸い上げられてチクリと痛みを感じる度に、その部分が赤くなる。

まるで雪の上に散ったバラの花びらのように見えて、勇気と雪うさぎを作ったあの雪の夜の情景が鮮やかに胸に蘇ってきた。

「…ゆき…」

「…え?」

あたしは無意識に声に出していたみたい。勇気が少し驚いた顔をして体を離すとあたしの顔を覗き込んできた。

「あ、ううん…なんでもない。」

不意に絡んでしまった視線に戸惑ってドギマギとしていると、勇気がポツリと呟いた。

「雅の肌はあの日の雪みたいに真っ白だな。」

驚いて目を見開く。勇気もあたしと同じ事を考えていたの?

あたしと勇気は確かに心が繋がっている事を感じて、とてもうれしくなる。