砂姫おばあさまは、16才で泉原の家に嫁がれた。

おばあさまもかつてとても切ない恋をされたらしい。

だから、愛し合っている二人を引離すのは堪えられないと思って下さったのだそうだ。

砂姫おばあさまの口添えもあってあたしが生まれてから、パパの実家の春日家とは行き来をするようになったけれど、相変わらずママの実家とは一切の連絡を絶っている。

ママは寂しくないんだろうか。

きっとパパも砂姫おばあさまも、あたしにはママのような思いをさせたくないと考えているんだと思う。

そんな砂姫おばあさまのご意志もあって、ママとパパは私が16才になったときに大人としてきちんと、勇気のことについて話すべきだと思ったらしい。

私の気持ちを聞いて、パパはいきなり婚約をさせるとか言い出したくらいだ。


パパ…暴走しすぎだよ。