俺は今まで聞けなかったことを思い切って聞いてみた。

俺が日本に帰ってきて雅と再会してからもうすぐ1年になろうとしている。その間、何度もそういう雰囲気になったことがあった。

だが、その度に何かしら邪魔が入る。

付き合って1年俺たちはまだ、キス止まりだ。

男としてはちょっと辛いものがある。

雅は戸惑いがちに俺を見ていたが、黙って首を横に振った。

「いいのか?」

「あのネ、あたし、言いたいことがあったの。
じっと見られてると言いにくいから目を瞑って欲しいんだけど…。」

雅に言われるがまま、目を閉じる。

「絶対にいいって言うまで目を開けないでね」

「ああ、いったいどうしたんだ?」