「彩、ごめんね」
「・・・った・・・」
「え?」
「また、誰もいなくなると思った、から・・・」


 子供のようにしゃくりあげて泣きながら、彩は言った。


「俺達がお前を残していなくなる訳がない。だろ?」


 くしゃりと頭を撫でながらそう言う諒に、ただただ、頷きながら泣きじゃくる彩。
 悠も美樹も、微笑みながらそんな彩を見つめていた。



☆  ☆  ☆



「でも、美樹はまだ“完治”してないもんね」
「そうね・・・でもあんな力、いらないわ」


 あの時あまりにも力を使いすぎた為なのか、今、美樹の力は全く残っていなかった。
 いつかはまた復活するかもしれないが、それがいつになるのか、悠にも想像がつかないのだそうだ。
 だが美樹にとってそんなことはどうでもよかった。
 おかげで今は元通りの生活に戻り、とても幸せなのだから。