☆  ☆  ☆



『free‐time』に帰り、まだ目を閉じたまま動かない美樹を、悠はベッドに寝かせた。
 そして“癒やし”始める。


「美樹・・・目を開けて・・・お願い」


 その横で祈るように両手を合わせながら、彩は呟いた。
 しばらくすると、美樹はうっすらと目を開ける。


「気がついた? 美樹ちゃん」


 ほっとしたように、悠が言った。


「悠くん・・・彩、諒くんも・・・よかった・・・」
「力を使いすぎたんだよ。あまり無茶したらダメだ。俺のパワーを少し分けたよ」
「ごめんね・・・ありがとう・・・彩?」


 不意に後ろを向いた彩に、美樹は声をかける。


「こいつ、さっきから涙腺ゆるみっぱなし」


 諒がからかうように言った。
 美樹は苦笑する。