☆  ☆  ☆



「忘れられないよ、あの戦いは」


 彩は窓の外を見つめた。
 悠と諒も黙って、晴れ晴れとした目の前の景色を見ている。


「おっはよ~! 今日もいい天気だね。何、彩もう掃除終わったの?」
「・・・あ、おはよう、美樹」


 エプロンをかけながら、美樹は元気に店に出てくる。


「美樹ちゃん。最近、彩って素直になったと思わない?」


 悠の言葉に、美樹はうんうんと頷く。


「早起きできるようになったしね」
「一瞬だけ一人ぼっちになって、俺達のありがたさが分かったからじゃねぇの?」
「だぁから、その話はやめろ、諒! 美樹、こいつら向こうに帰してやれ」
「ほんとにいいの? めっちゃ寂しがり屋のくせに」
「もう・・・美樹まで!?」


 あー掃除しよ、と、彩はホウキと塵取りを持って店の外に出ていった。