2人の後ろには、美樹が横たわっていた。
 だが、ぐったりとして動かない。


「美樹・・・!」
「大丈夫、心配しなくていい。完全に目覚めた力・・・その能力で、美樹は俺達を迎えに来てくれたんだ」


 諒が言った。


「いくら半分アヤカシとは言え、ホント無茶するよ。どんだけ力を使ったんだろうな」


 そう言いながら悠は美樹を抱き上げた。
 変わらずに目を覚ます気配はないが、その寝顔は、微かに笑みを浮かべているように見えた。
 彩は心底、ほっとする。
 その能力で、美樹はアヤカシの世界まで行ったのだ。
 そんなことをやってのけたとは信じられないが。
 おそらくそのために、自分の能力の限界を越えた力を使ったに違いない。


「みんな終わったよ・・・帰ろう『free‐time』に」


 悠が言った。
 四人は、朝焼けの余韻が残る中、我が家に向かって歩き出す。