何も知らない自分に、何をそんなに期待しているのか。
 ・・・ただ、もし本当にこんな能力があるのなら・・・この先もずっと、みんなを危険な目に遭わせてしまうことになる。


「大丈夫。あなたはあなたでいいの。でも必ず、信じていて」


 この中川美恵子という人物は、彩と同じような事を言う。
 出来ることなら信じたいが。
 何を信じたらいいか、どうしたらいいか、全くわからなかった。


「あの子達も、きっとあなたの事を信じている」
「信じてる?」


 婦人は頷いた。


「このまま敵を放っておいたら、この世界はどんどん悪くなっていくわ。人間のマイナスの感情を糧にして、相手はだんだん力が強くなっているの」


 それに、と付け加えて。


「私達が戦っている相手には、彩やあなたと同じような力を持った人間もいるわ」