万里は嬉しそうに噛み締めながら先を続けた。
「君とは話したコトもなくて、何も知らないけど……。俺の隣でどんな風に笑ってくれるだろう、とか。二人でどんな会話をするんだろう、とか。喧嘩して怒る君や、泣く君……隣にいて色々な君を知りたかった。」
「…うん。」
分かるよ万里の気持ち。
俺も千里ちゃんに同じ気持ちだからさ。
楽しいことばっかりあればイイケド、人間だからな。
付き合っていけば多かれ少なかれお互いに嫌なトコロも見えてくる。
だけどそれも全部ひっくるめて知りたい、と思う。
知ったらきっともっと好きになる。
「だから付き合って下さい。」
万里が腹をくくって男を見せてくれてる以上、俺もちゃんと応えてやるべきなんだろう。
例えばそれがキビシイ現実でも。