そうこうしているうちに万里と天音が移動するようだ。
万里がはにかんだ笑顔で左手を差し出す。
一瞬素の顔をした天音は両手でソレを掴みマジマジと見下ろした。
「やだな、手相じゃないよ~ぅ。」
「……チガイマシタカ。」
「手、繋ご♪」
「………。」
ぁぁ…早くも開始十分で天音の魂が抜けかかってるっ!
口から出る言葉がカタコトだしっ。
……飛びかからないだけ譲歩なのかな。
そんなダウン寸前の敵を相手に、万里は手を握り月面散歩の宇宙飛行士なみの足取りで歩きだした。
てか、コイビト繋ぎに天音の魂が抜けて置いてかれちゃってるわよっ。
堪えるのよ、天音っ!
女のど根性で……いや、男の?
ともかく、意地でも乗り切りなさいっ!