ハツコイの君が、コトもあろうか男だったという衝撃に万里は見事に壊れた。
しかもそれが友人だったとか・・・。
ブラックホールを背負ったゾンビみたいになっている。
「千里、最近メール多いね。誰としてんの?」
そんなことを言って来たのは、正面に座る友達の真琴。
アシンメトリーのショートの髪に凝ったフレームの眼鏡。
背も高くて性格もサバサバしていてとても中性的。
ちなみに二次元、しかもBLの世界にしか興味がナイ。
その横で、声はなくとも興味津々にうんうんと頷いているのは華。
ふわふわのボブに、黒目勝ちの瞳がカワイイ華奢でちっちゃなコ。
コチラ、男の子との会話でさえも恥ずかしいという純情ちゃん。
真琴のセリフに口を開くよりも早く、
「メルマガかなんかでしょ~。」
横から応えたこの女、
蘭子。
男をとっかえひっかえの尻軽オンナ。
どうしてこんな女と友達をやってんのか自分でも分からない。
今も今とて、鏡を見ながら食事中。
男に愛され食べ方の研究中だとか・・・バカか。