「はははは早く、ソレ片付けて!戻して!」
いやはや、
本来出し入れ自在な代物デスケド・・・
ちらっと千里ちゃんを見ると
手繰り寄せたウサギのぬいぐるみを圧死させんとばかりにぎゅうぎゅうと抱きしめて
真っ赤な顔。
いつもの強気はどこへやら
途方にくれたような情けない表情もなんつーカワイさだ!
しかも、怖いモノ見たさなのか、視線は釘付けなままだし。
・・・あのね、カワイイ女の子の前じゃ俄然張り切っちゃうタイプなんです、
俺の息子。
・・・はぁ。
「・・・自己処理してきます。」
トイレ借りますネ。
「えっ、あ!カミソリ忘れてるわよっ。」
・・・ソッチの処理ぢゃナイ・・・
とも言えず、千里ちゃんの差し出すカミソリを手にのろのろと部屋を出た。