黒い冬用セーラー服。 黒いロングソックス。 胸元まで届くロングウィッグ――― セーラー服女子だ。 いや、一男子として、セーラー服がキライとは言いますまい。 だが男子にとってそれは見て楽しむモンであって、自分が『着る』ためのモンではない筈だ。 「あら。ふふ・・・やっぱり思った通り似合うじゃない。」 俺の肩越しに千里ちゃんのご満悦な微笑が鏡に映った。 どうしてこんなコトになったかと言えば―――