「あのね!私『される』ってのがキライなのよ!だから私がしてやるわ!」
「…それは分かった。ケド、これなに?」
今、天音の両手は背中に回して手首をしゅしゅでまとめてある。
私は顎を聳やかして応えた。
「キスで盛り上がったからって、いきなり襲いかかられちゃ堪んないから、一応の歯止めよ!ソレ外したら二度とキスなんてさせないからねっ!」
「……ワカリマシタ。」
テレビからはアクションの派手な破壊音が聞こえてきたがそんなの既にアウトオブ眼中。
私はがしっと天音の頬を両手で掴んだ。
「な…なんというか、現実(コッチ)も手に汗握る展開ダネ…?」
目をぎらつかせている(だろう)私の気を紛らわせようとしてか、天音が引きつった笑顔でトンチンカンなコメント。
う っ さ い !
私は一思いに天音の唇に自分のソレを重ねた。