今日の男は遊んできた男の中でも上玉。


あたしの大好物…のはずなのに。


何でフッテしまったのか自分でも自分の行動が分からない。







…それで、ここへ来てる自分も分からない。







目の前の古いこじんまりした一件家にはぁ~と深い溜息を吐いた。








インターフォンを押すと、中学のセーラー服姿の女の子が顔を出した。


「あ。蘭子さん。こんばんは。」



アタシに向かってニッコリ笑った直子ちゃんは家の中に向かって「お兄ちゃん~」と叫んだ。


それにいち早く、バタバタと足音がして顔を覗かせたのは小学生四年と三年の男の子。





「ぅわ~。蘭子だ!」


「呼び捨てにすんじゃないわよ、クソガキ!」



言い合う私達に直子ちゃんがクスクス笑っていると、奥からようやく目当ての人物が登場した。






「あっれ~?蘭子じゃ~ん。」





相変わらず能天気な笑顔でそういったのは貴史。