***
***千里side***
戸惑いを片平も見せず、引導を渡す。
私はどこまで可愛くないんだろう。
本当は薄々自分の気持ちには気付いていたのに……。
あの日、天音を迎えに学校へ行った日、夏葉という女の子に負けたのは―――私。
『先輩がその人のコト好きな気持ちと同じくらい、私も先輩がスキです。どっちが先に相手を振り向かせられるか、闘いデスネ。私、負けませんから!』
ソレは天音に向けられた言葉だったけど。
もし私がいわれたんだとしても、何も言い返す言葉がない。
真っすぐにぶつけてくる想いに、眩しいくらいの笑顔に、私は太刀打ちできない。
だから華の時だって…
モヤモヤしたくせに何もできなかったんだ。
だって……
『千里って、顔以外のどこに惚れる要素があんのよ?アタシが男なら、そのカワイクナイ性格知ったらまずヒクねっ!!』
以前、蘭子に言われた言葉は至極的を得ている。