「俺の」
「コイツの」
「「「「「ナニがスキなの?」」」」」」
声を揃えて訪ねた俺達に彼女はにこっと笑った。
「最初に興味を持った切欠は仕草とか所作、とか言うやつです!」
また微妙な答えをハキハキ言ったもんだな……
彼女―――田中夏葉ちゃん(高一)はその時の事を小説のように語りだした。
理科室の掃除をしていたら、俺が理科室から借りてったチリトリを返しに来たコトを……。
終。
……てか、おいおい。
情緒もなければドラマ性もない。
それのどこに惚れる要素があるのか益々ナゾだ。
どこをどう突っ込んでいいものか途方にくれた顔の俺達に夏葉ちゃんはくすっと笑った。
「先輩が来るちょっと前にウチのクラスの男子共が帰っちゃったんです。用具入れに箒放り込んで……」