***
万里とのデートが無事に終了して数日。
万里はと言えば、微妙に失恋を引き摺りつつも、俺相手にトチ狂う様子も見せず、大分落ちついた。
それはそんな時のコト―――
「好きです。お付き合いして下さいっ♪」
ランチタイムin学校。
教室で適当に近場の机を固めて色気のナイ昼飯を広げていたいつもの面子は、手を止め、怪訝にその告白の主に視線を向けた。
肩に触れる長さのサラッとした茶色の髪。
くりっとした目がカワイく、表情豊かな闊達そうな娘。
あ、一個下の一年だ。
学年色のリボンの色で判断。
俺達は顔を見合わせ、揃って首を傾げた。
誰にも心当たりはナイらしい。
ってコトはサッカー部ルーキー・顔良し、性格良し(ちょっと妄想癖アリ、ヤル事ベタ過ぎ)のモテモテ万里クンか―――
「あ、違いますヨ。天音先輩です。」
万里に顔を向けようとしていた俺達はその言葉に揃って顔を戻した。