「手伝ってくれてありがとう」

「うぅん、ラッピングの配送溜まってるんでしょ?忙しい時はお互い様だよ。気にしないで」

「今度掃除手伝うね」

「うん、お願いするーっ」

『あははっ』


裏表のない子で、本当に皆から愛されていた。


重い荷物をバックヤードからストックルームへ運んでいると、いつも男子が誰かしら声を掛けて手伝っていた。

でも彼女曰く、力仕事は得意らしかった。

仕事熱心だったし、華奢な容姿からは想像出来ない程、バリバリとどんな仕事もこなしていた。

誰かの悪口や愚痴も彼女の口からは一度も聞いたことがなかった。

真のマドンナ的存在と言うのは、君みたいな人のことを言うんだと、今でも思う。