「わ――!ちょっと!いきなり来すぎ!!」




美歌が、フルートを守りながら叫ぶ。



52人全員が、一気に狭い音楽室に入る。




なんで、こんなにあたし達の学校の音楽室は狭いんだ……。




合奏の時だって、いつも窮屈で仕方がない。





「ねぇ!みんな揃ったんだし、合わせよ!!」



そのとき、部長の紗夜が言った。




その紗夜の言葉に、みんなが頷いた。




時計をチラっと見る。



今は、8時15分。


予鈴が鳴るのが、8時20分。


たぶん、間に合うだろう。



「じゃあ!行きまーす!!!」


部長の紗夜の掛け声で、みんなが構える。






「1、2、3、4!!!」