「――紀!麗紀!!あなた、麗紀が……!先生呼んで来て!!」
「わ、分かった!」
……なんだか、騒がしいな。
ぼんやりと目を開けると、見慣れない白い天井があった。
ここ……どこ?
「麗紀!あぁ……麗紀、麗紀。良かった……本当に」
この声は……お母さん?
「お、かあ……さん?」
声を絞り出した。
喉がカラカラで、かすんだ声。
「麗紀……。良かった、本当に、良かった……。」
涙でグチャグチャになった顔で、お母さんは安堵の表情を見せた。
なにが、良かったの?
それに、あたしの顔についている酸素マスクと、この点滴は、
一体、なに?