「ほら、こっちに来い」 「あ、はい」 先生はあたしをイスに座らせ、あたしの左足首をみた。 足を掴んで、クルクル回す。 「……イタ!」 「……軽い捻挫だな。どっかでこけたのか?」 足首にシップを貼りながら、先生がたずねる。 「ちょっとバランスを崩して……」 「はは。けっこうドジなんだね、栗田」 「……盗み聞きしないでよ」 冷めた声で言うと、緒川くんは少し笑った。 ……絶対、馬鹿にしてるよね。