中に入った瞬間、冷たい風が肌をさす。





「さ、寒!!」




あたしは寒くて、腕を摩る。





「ヤバ!昨日、窓あけっぱだったわ」




焦ったように言って、美歌は急いで開いていた窓を閉めた。





「先生にバレる前に気づいてよかったわ~~」




ふぅ、と胸に手をあてて安心する美歌。




「だからね!バレたら……長い長い説教だーー。」




あたし達、吹奏楽部の顧問、山井先生。





通称、山ちゃん。





山ちゃんは、怖い。




音楽に対しての情熱は、もの凄い。





部活の時も合奏の時は鬼のようだし、規則をちゃんと守らないとすごく怒る。





だから、今みたいに窓を閉め忘れたりしたら……




想像するだけで、ゾッとする。