「……おろして下さい」 「もう、保健室ついたよ」 そう言って緒川くんは、あたしを静かにおろした。 心臓が、ドキドキとうるさい。 ガラッと、緒川くんは保健室の扉を開けた。 「せんせー。怪我してるみたいだからさー。」 だるそうな声で、緒川くんが言う。 「また、お前は怪我人つれてきたのか」 そう言いながら、イスの向きをクルっと変えてこちらを見た先生。 黒髪で、メガネをかけ白衣を着てる。 あ、保健医だから白衣は当たり前か。