「おーい、麗紀?」





美歌があたしの顔の前で、手をヒラヒラさせる。





「あ、ごめん!何?」




「ねね、あたし結構上手くない?」




そう言って、美歌はあたしにスケッチブックを渡した。





「……これ、あたし?」




「正解!」





スケッチブックに描かれていた絵は、横を向いているあたしだった。





きっと間抜けな顔をしていたのに、そこに映るあたしは真剣な顔だった。