「はぁ、笑いすぎた……。麗紀はないの?」 お腹を摩りながら、美歌が言った。 「……え?なにが?」 「将来の夢」 ……夢、かぁ。 「うーん。まだ、ないかなぁ」 「ないかぁ……。まぁ、そのうちできるよ!」 ――キーンコーンカーンコーン。 「あー。美術じゃん」 「あー。まぁ、楽だからいいけどね」 ふたり同時に、短いため息を吐く。 あたし達は、美術室に向かった。