「そうだね……。あんま、ないかもね」 あたしも、外を見ながら独り言のように返す。 あたしはあまり男子と話す方じゃない。 友達に「好きな人いる?」とか聞かれるけど……いないし……。 別に、男子にも興味がない。 今のあたしは、男より、音楽。 そんなことを考えていたら、緒川くんが、 「あんたって、なんか面白いな!」 と目を三日月にして笑って、教室に戻って行った。