「…ちょっと、歩こうか」
そう言って、美歌は歩き出した。
それにあたしもついて行く。
美歌、なんか様子がおかしくない?
いつもは、ピョンピョン飛び跳ねててはしゃぐのに、
今はなんだか、大人な感じ……。
ただ歩いて、着いた場所は土手。
ここはあたしの通学路だ。
美歌はその土手に座った。
「…美歌?」
なんで、喋らないの?
「麗紀…、あたしに何か、隠してる?」
―――ドクンッ
体が揺れたんじゃないかってくらい、心臓が跳ねた。
やっぱり、美歌は勘付いてる。
――いや、学校で誰かが倒れたら、誰もが“病気なんじゃないか”と思うかもしれない。
でも、美歌はあたしの心友。
なんでも、話してきた仲なの。
あたしは美歌に、“ウソ”はつけない。