きっとあの人のことが嫌いな人なんて、いないんだろうなぁ。






そう思いながら、あたしは自分の席に座った。




そして美歌は、あたしの後ろの席に座る。






だからいつもあたしは、体を横にして美歌と喋っている。






「今日も人気ですねー」





あたしは緒川くん達の方を見ながら呟いた。





「あれ?麗紀が男子に興味を持った!」



美歌が、驚いたように言う。





「いや、興味なんて無いけど……」




「またまたー。まぁ、カッコいいよねー。和也くん。」






あたしは、美歌の「カッコいい」という言葉を聞いて、緒川くんの顔を見た。