「あ、ほら。麗紀!急がないと!」 「あ~ごめん、ごめん!」 美歌は行動が早い。 あたしは急ぎながらバリトンのケースを立てて、準備室にしまった。 「麗ー紀!いっそげ!いっそげ!!」 音楽室の扉で、美歌が言う。 「はーーい!今行くー!」 あたしは、美歌のもとへ走った。