「あのさ……清水」


清水さんのもとに、彼女の取り巻きたちがやってきた。


清水さんは特に返事をせずに、目だけを向ける。


「昨日は……その、ごめん。言い過ぎた」


「確かにやりすぎかなって思ってたけど、それを言い出せなかったの」


「ほんと……ごめんね」


本当に申し訳なさそうに眉をハの字に下げて謝る取り巻きたち。


しばらく黙っていた清水さんは、静かに立ち上がる。


そして、鋭い目で取り巻きたちを睨んだ。



「どの面下げて、そんなこと言ってるの?」



取り巻きたちの顔が強ばる。
清水さんは、なおも強気な態度で続けた。


「仕方なく私と一緒にいたんでしょ?友達じゃなかったんでしょ?だから昨日、クラスの皆と一緒になって私の悪口言ってたんでしょ?あれが本音だったんでしょ?」


取り巻きたちが黙り込む。
清水さんが怒っているのが、傷ついていたことが、あたしには手に取るようにわかった。


「それはその……。でも、友達じゃないなんてそんな……」


しどろもどろで取り巻きの一人がそう言った時、バンッと清水さんが机に叩くように手をついた。


「じゃあ、昨日のあの言葉は何だったの!? あんなこと言っておいて、次の日になったら私に謝ってきて一体どういうつもりなの!? まさか仲直りとかじゃないわよね?私達最初から友達なんかじゃなかったんだから!!」


怒鳴ったあと、肩で大きく呼吸する清水さん。


みんなが何事かと騒ぎ始めて、必然的に清水さんたちのほうに視線が集まった。