この一週間、考えて考えて…


自分の中で決心して…



なのに、どこかで期待している自分がいた




「…そっか」




悲しいとか悔しいとかなんて感情はなく、ただ心にポッカリ穴が開いたような感じがした



賢治の事が本当に好きだったんだと自覚させられた気がした…




すると賢治が静かな口調で話し出した


「俺は見合いの前から華を知ってたんだ

確かに最初は成瀬が好意を寄せる相手がどんなものか見たかった

華が働いてる店にも何度か行った…

本当は昔、華にも1度着いて貰った事もあるんだ

もちろん華は覚えてないだろうけど…」




えっ…


私は思わず顔を上げた


結婚前に会った事があるなんて…


知らなかった…



「…」



「店に行くのも成瀬の会社を買収するため

華の事を知って結婚に持ち込むためだって自分に言い聞かせて…

でも華を、クラブで会社で見ていくうちに、そんな事どうでもよくなってた

ただ俺は華の瞳に映りたかったんだ…

華は俺が初めて好きになった人なんだ…」