自分の席に戻りカバンを取り携帯を取ろうとした瞬間


思い出してしまった…



『俺は華には幸せになって欲しいんだ

いつも味方だから…』



携帯を握り締めている手は無意識に成瀬の番号を押してる自分がいた


3コールめで電話がつながった


「華…どうしたの?」


「成瀬さ…ん……」


涙で上手く喋れない


「華どうした?今どこ?外?家?」



「…会社です」


「本社ビルって確か青山だよな、今から行くから電話このままで待ってて」


「…」


電話がつながったままの状態で成瀬は、ずっと話をしてくれた


私はただ成瀬の話を聞いていた



優しかった




私は弱い人間かもしれない


他人に頼り自分の弱さを他人に押し付けている




ズルイ人間だ…