俯き膝に置いている自分の手を見つめていると賢治が私の手を引き抱きしめてきた



「えっ…」


突然の状況に頭が追いつけない



「ゴメン…」


それは思いもしない一言で



「俺はずっと華の事…」




想像もしていない私を抱きしめる腕は強く痛くて、そんな彼に驚き思わず顔を見上げると切なく苦しそうな表情で…



何でこの人がこんな顔をするのだろう…



目が合うと強く抱きしめられ私の頭はスッポリ賢治の胸に収まった


「迷惑なんかじゃないから…

ロールキャベツうまかったから…」





腕の隙間から見上げた賢治の耳は真っ赤になっていた




この時、初めて奥にある本当の彼を見た気がした



初めて抱きしめられた夜


この瞬間が永遠に続けばいいのにと

この腕を信じてみようと思いました