女の子がおねだりをしたのかテーブルには高価なシャンパンやブランデーが並んでいる


あんなメールを送った後の2人きりの空間は気まずかった



お酒を作り賢治の前に置くと灰皿が無いのに気付いた


アレ?灰皿がない…



「気付かなくて申し訳ございません

灰皿すぐ用意致しますね」



「別にいいよ、煙草持ってきてないし」


不機嫌そうに賢治が答える


「…」


あんなに家で吸ってる人がお酒の席で吸わないなんて…



「…何か飲めば」


私の手元を一瞬、見て賢治が言う


「あっ…じゃ、いただきます」


テーブルの上のお酒を横目に私は黒服にウーロンポットを頼み目の前にある一番安い焼酎でウーロンハイを作った



その光景を見た賢治は


「ドンペリあるのに…もしかして人の飲みかけ駄目な人?新しいの入れる?」

と少し嫌味ぽく言った


「えっ?」


テーブルを見て、ああ…と少し納得するように頷いた



「別に人の飲みかけとか関係ないですよ

ただ私、炭酸一口も飲めないだけなんで」


「…」



「いただきます」



私は両手でグラスを持ち賢治とグラスを合わせた