スーパーで買い物をしロールキャベツを完成させる頃には21時を回っていた


カバンに入れっぱなしの携帯を見ても賢治からの着信もメールもない



バタンッ



物音に驚き目を開くとダイニングテーブルに顔を埋め寝てしまっていた事に気付く



時計の針は既に日付が変わっていた


あっ賢治さん…



「お帰りなさい…」


「…」


機嫌が悪いのか私を無視しそのままリビングのソファーに腰掛けた



「大丈夫ですか?」



「…」



「賢治さ――」



話を続けようとするとイキナリ賢治が立ち上がった


「うるさいな!!

そもそも最初に言ったよね?

お互い干渉しないって…

何を期待してるか知らないけど所詮、政略結婚なんだよ」



苛立ち私を通り過ぎる賢治から、かすかに女性物の香水の香りがした



沙耶とカフェで会ったあの日と同じ香りだった